ドローンを飛ばしているけれど飛行日誌についてよく知らないという人もいるのではないでしょうか。
今回はドローンの飛行日誌とその書き方、飛行日誌のできるアプリについて解説します。
ドローン飛行日誌とは、
- ドローンを飛行させる人がドローンの飛行記録や点検記録についてまとめたものです。
- 飛行日誌を作成し、携行する義務がある人はドローンを使って特定飛行を行う人です。
- 飛行日誌を作成し保管する目的は、事故など発生した場合の原因特定や要因分析に使うためです。
飛行日誌を作る必要がある人は
- 特定飛行を行う人
今回参考にした資料は国土交通省の飛行計画の通報・飛行日誌の作成です。
飛行日誌とは
飛行日誌とはドローン操縦者が飛行記録や点検について記録したものです。
飛行日誌を作成し保管する目的は、事故など発生した場合の原因特定や要因分析です。
飛行日誌の保管は無人航空機が登録されている間は継続しなければなりません。
飛行日誌は紙媒体での保存が原則ですが同じ内容を備えていれば電子保存も可能です。
飛行日誌には大きく分けて飛行記録、日常点検記録、点検整備記録の3つがあります。
飛行日誌を作らないといけない人は?
飛行日誌を作らないといけない人は100g以上の無人航空機で特定飛行を行う人です。
特定飛行とは簡単に「空港周辺・高度150m以上・人口集中地区・催し上空・目視外飛行・夜間飛行・人や物から30m以上・物件投下・危険物搭載」を伴う飛行のことです。詳しくはこちら。
これらの飛行を行う操縦者は飛行日誌を作らないといけません。
これらに該当しない人でも飛行日誌をつくることをお勧めします。
飛行日誌を作らなかったら?
飛行日誌を作らなかったらどうなるのでしょうか。
国土交通省によると以下のようになっています。
特定飛行を行う際に飛行日誌を備えない、飛行日誌に記載すべき事項を記載しない又は虚偽の記載を行った場合、航空法第157条の11に従い、10万円以下の罰金が科せられます。
飛行計画の通報・飛行日誌の作成(国土交通省)
10万円以下の罰金の可能性があるので飛行日誌を作るようにしましょう。
飛行記録とは
飛行日誌の飛行記録、日常点検記録、点検整備記録のうち、1つ目の飛行記録はドローンを飛行させた都度飛行実績について記録したものです。
紙媒体で作成・管理する場合、操縦者はドローンを飛行させる時には直近の点検整備以降の飛行記録を携行する必要があります。携行していない飛行記録に関しても参照や提示が可能な状態で保管しましょう。
飛行記録は1飛行毎に記載します。
この1飛行とは、機体の電源を入れて離陸した地点(出発点)から、着陸して電源を停止させた地点(目的地)の間の飛行です。経由地があったとしても電源を停止させず飛行を続けた場合は最終目的地までの飛行が1飛行となります。
ただし、柔軟な対応の例として一つの飛行エリア内で同じ目的の飛行を連続的に飛行する場合に、複数の離発着と同時に電源を停止・動作させるときには1飛行とすることができます。この場合でも実質的な飛行時間を記載します。
飛行記録の記載事項
飛行記録の記載事項は以下のア~カです。
ア)無人航空機の登録記号(試験飛行機等で登録記号を受けていない場合
無人航空機の飛行日誌の取扱要領
は当該試験飛行に係る届出番号。以下同じ。)、種類及び型式(型式認証
を受けた型式の無人航空機に限る)
イ)無人航空機の型式認証書番号(型式認証を受けた型式の無人航空機に
限る)
ウ)機体認証の区分及び機体認証書番号(機体認証を受けた無人航空機に
限る)
エ)無人航空機の設計製造者及び製造番号
オ)無人航空機の飛行に関する次の記録
・飛行年月日
・操縦者の氏名及び無人航空機操縦者技能証明書番号(無人航空機操
縦者技能証明書の交付を受けている場合に限る)
・飛行の目的及び経路
・飛行させた飛行禁止空域及び飛行の方法
・離陸場所及び離陸時刻
・着陸場所及び着陸時刻
・飛行時間
・製造後の総飛行時間
・飛行の安全に影響のあった事項の有無及びその内容
カ)不具合及びその対応に関する次の記録
・不具合の発生年月日及びその内容
・対応を行った年月日及びその内容並びに確認を行った者の氏名
日常点検記録とは
日常点検記録とは操縦者が飛行前点検の結果を記録するものです。
日常点検は規定設計者が規定しない限り、1飛行毎に実施しましょう。
型式認証を受けた機体の場合は無人航空機整備手順書の日常点検項目を点検します
型式認証を受けていない機体の場合は機体設計者が出す取扱説明書で決められた日常点検項目を点検します。
日常点検の記録内容は飛行記録の記載事項のア~エに加えて、
実施の日付、場所、実施者、点検結果、その他特記事項です。
日常点検記録は全ての記録を携帯する必要はないですが、直近に実施した点検整備以降の記録を携行し、それ以前の記録は参照や提示ができるように保管しましょう。
点検整備記録とは
点検整備記録とは点検整備を記録するものです。
点検整備記録の記録内容は飛行記録の記載事項のア~エに加えて、
実施の日付、場所、実施者氏名、点検修理改造整備の内容、実施理由、機体の総飛行時間、その他特記事項です。
操縦者は全ての点検整備記録を他の記録ともに携行する必要があります。
書式について
書式は無人航空機の飛行日誌の取扱要領の後ろにあります。
書き方にいろいろパターンがあるので無人航空機の飛行日誌の取扱いに関するガイドラインの後ろから確認しましょう。
紙媒体ではなく電子的にクラウドに保存するアプリケーションでも可能です。
ただし、同じ内容を備えている必要があります。
飛行日誌がつけられるアプリ
飛行日誌を付けられるアプリはいくつかあります。
JULC飛行日誌アプリ
JULC飛行日誌アプリは基本無料ですがJULC 会員登録と機動キーの取得が必要です。
日本無人航空機免許センター(JULC)は、国土交通省登録講習機関です。
JULCは日本全国に無人航空機(ドローン)の教習所を開校しています。
ドローンノート-UAV(無人航空機)飛行日誌の簡単作成アプリ
無料のライトプランで国土交通省要件をフルカバーします。飛行日誌件数や登録機体数のデータ数制限もありません。端末間のデータ共有も出来ます。
プランは3種類:
・ライトプラン(広告表示と飛行時間制限、無料)
・スタンダードプラン(初回7日間無料お試し後、月額 300円)
・プレミアムプラン(初回7日間無料お試し後、月額 500円)
UAV 飛行日誌 (UAV Flight Log)
有料のアプリではUAV 飛行日誌 (UAV Flight Log)があります。
CSVファイルなどでの保存・共有も可能です。
FwriteDown
簡単なフォーム入力で飛行日誌を作成でき、スマホでいつでも管理できるサービスです。
スタンダードプランは無料で10機10人まで塘路黄可能です。
DJI SmartFarm App
DJI SmartFarm AppはDJIの農業用ドローンを使う人におすすめです。
DJI SmartFarm Appは、データ表示、デバイス管理、フィールド共有、チュートリアル、チーム連携、測量ツール等を通じて、DJI農業ドローンの管理を全面的にサポートします。そして、データとデバイスの管理が可能です。
まとめ
- 特定飛行をする人は飛行日誌を作らなければならない。
- 携行する記録は全ての点検整備記録と直近の点検整備以降の飛行記録と日常点検記録
- 飛行記録と日常点検は1飛行毎に記載する
- 飛行日誌は紙媒体以外に、クラウド保存のアプリケーションでも可能
今回参考にした資料は国土交通省の飛行計画の通報・飛行日誌の作成です。是非ご自分でも元の文献を確認して正しい知識を身に着けてください。
飛行日誌を正しく使い安全なドローン飛行を楽しみましょう。