今回は散布飛行の基準を説明します。
マルチローター(ドローン)で農薬を散布するには守るべき基準があります。
この基準を守ることで、安全性の確保、適切な運用、に役立ちます。
農薬散布ドローンによる散布飛行の基準は以下の通りです。
DJI AGRAS 教習所 学科テキスト
- 飛行速度は15~20km/h
- 飛行高度は作物上2m
- 地上1.5mの風速が3m/s以下の時に実施
雨が降っているとき、霧や雷が発生しているときは散布を中止する- 散布条件は以下のとおり
原則、マルチローターによる散布として登録を受けた農薬。それ以外の農薬を使用する場合は、農薬メーカー等に確認すること。
一般的に1ha(100m×100m)に8リッターの薬剤を散布
1.飛行速度は15~20km/h
飛行速度は速すぎても遅すぎてもいけません。
速度が速すぎると十分に散布ができず薬剤が薄い状態になります。
反対に、速度が遅すぎると薬剤が濃すぎたり、農薬が足りなくなったりします。
2.飛行高度は作物上2m
散布ノズルと作物の距離が2mになるように散布します。
距離が近すぎるとダウンウォッシュが強すぎて作物が根元から倒れてしまったり、
散布幅が変わり、散布できていない場所ができてしまう。
距離が遠すぎるとダウンウォッシュが弱すぎて作物に十分に薬剤がかからなかったり、
農薬が空中で弱い風に流されて思い通りの場所に農薬がかからないことがあります。
また、勾配のある場所では真っすぐ飛ばしていても作物との距離が変わってしまうことがあるので
修正しながら飛ばすことが重要です。
3.地上1.5mの風速が3m/s以下の時に実施 雨が降っているとき、霧や雷が発生しているときは散布を中止する
地上1.5mはだいたい散布ノズルと作物の間の高さです。ここに吹く風は散布ノズルから出た農薬を横に流してしまいます。(ドリフトという)
ドリフトが大きすぎると思わぬ場所に農薬がかかったりと問題が発生します。そのため、風速に注意しましょう。
雨、霧、雷はドローン飛行自体が危険なため控えましょう。
4.散布条件は以下のとおり原則、マルチローターによる散布として登録を受けた農薬。それ以外の農薬を使用する場合は、農薬メーカー等に確認すること。一般的に1ha(100m×100m)に8リッターの薬剤を散布
ドローンの散布は高濃度のことが多いので、
マルチローター散布の登録を受けていない農薬は散布ノズルを詰まらせる可能性が高いです。
また、2種混合は固まりやすいとされているので避けましょう。