日本の農業自動化、10年以内に実現 クボタの北尾裕一社長インタビュー(産経新聞)

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クボタの北尾裕一社長が産経新聞のインタビューに応じ、日本の農業従事者が減少し続けている現状を踏まえ、「農業の自動化は10年以内に実現するだろう」との見通しを示した。クボタは世界初の完全自動運転で米や麦を収穫できるコンバインを1月に発売するなど、農機の自動化で業界をリードしている。

農林水産省は、少子高齢化などにより農業を主な仕事とする「基幹的農業従事者」が、今後20年で120万人から約4分の1の30万人にまで減少すると予測している。担い手不足への対策として期待されるのが、人工知能(AI)や自動運転技術を使った農業の自動化だ。


北尾氏は「田んぼの中の作業などはすでにほぼ自動化できている。道路を移動するときの安全性が課題だが、技術的には数年以内に完全自動化は可能だろう」と話す。ただ、安全上のガイドライン策定や道路交通法の解釈など定まっていないことも多く、「基準づくりという観点でまだ少し時間がかかる」とした。

一方、海外での事業展開については「日本向けの安価な農機よりもさらに2~3割安い『ベーシック機』の売り上げを5年で2~3倍に拡大する」と強調した。昨年のベーシック機の売上高は農業の機械化が進み始めているインドなど新興国を中心に1500億円ほどだが、欧州などでも安価な製品が求められるようになってきており、需要が拡大する余地が大きいという。北尾氏は「インドを生産拠点として需要をつくり、将来的に事業の柱の一つにしていきたい」と期待を込めた。(桑島浩任)